「おばあちゃんの家に行くと、お菓子もジュースも好きなだけ」「欲しいと言ったおもちゃを、その場で買ってもらえる」。孫をかわいがってくれるのはありがたいけれど、正直モヤモヤしてしまう。そんな気持ちを抱えている人は少なくありません。
年末年始やクリスマスが近づくと、祖父母と会う機会も、贈り物の話題も増えてきます。今のうちに、気持ちを整理しておきたいところです。
今日は、祖父母との間で起きやすいすれ違いと、気持ちよく伝えるためのコツをお伝えします。結論から言うと、祖父母の「甘やかし」の多くは、孫との時間を楽しみたいという愛情の表れです。だからこそ、否定するのではなく、「大事にしたいこと」だけを絞って伝えることが、関係を守る鍵になります。
祖父母が「甘やかしたくなる」のはなぜ?
祖父母が孫を甘やかしてしまうのには、理由があります。
ひとつは、会える時間が限られていることです。毎日一緒にいる親と違い、祖父母が孫と過ごせるのは、月に数回、年に数回ということもあります。「せっかく会えたのだから、喜ぶ顔が見たい」と思うのは、自然な気持ちです。
もうひとつは、子育ての責任から離れていることです。自分の子どもを育てていたころは、しつけや生活のことで精一杯だった。だからこそ、孫には「ただかわいがる」ことができる。祖父母にとって、それは子育てのあとにやってきた、ご褒美のような時間なのかもしれません。
この背景を知っておくと、「甘やかし」を、少しだけ違う目で見られるようになります。
祖父母との間で起きやすい3つのすれ違い

1. おやつ・食事
甘いお菓子やジュースをたくさんあげる、ご飯の前におやつをあげる、などは、よく聞くすれ違いです。虫歯や食事への影響が気になる親と、「少しくらい大丈夫」と考える祖父母の間で、感覚の差が出やすいところです。
2. おもちゃ・贈り物
欲しいものを何でも買ってしまう、家族で決めているルールを超える高価なものを贈る、なども悩みの種です。家に物が増えすぎたり、「頼めば何でも買ってもらえる」と子どもが覚えてしまうのが心配、という声もあります。
3. 子育ての考え方
「昔はこうだった」という子育ての常識が、今とは違うこともあります。抱っこ、食事、寝かしつけなど、時代とともに考え方が変わったことについて、意見が分かれることがあります。
全部を変えようとしない
モヤモヤすることがたくさんあると、全部を伝えたくなります。でも、あれもこれも伝えると、祖父母は「何をしても否定される」と感じてしまいます。
大切なのは、「絶対に守ってほしいこと」と「目をつぶれること」を分けることです。たとえば、アレルギーや安全に関わることは、絶対に守ってほしいこと。一方で、たまに会う日のお菓子が少し多いくらいなら、目をつぶれることかもしれません。
「おばあちゃんの家では、ちょっと特別」。子どもは意外と、場所によってルールが違うことを理解できるものです。家に帰れば、いつものルールに戻ればいい。そう考えると、少し気持ちが楽になります。
気持ちよく伝えるための4つのコツ

1. 先に感謝を伝える
何かをお願いするときは、まず「いつもかわいがってくれてありがとう」と感謝を伝えます。感謝が先にあると、お願いは「否定」ではなく「相談」として届きやすくなります。
2. 理由を添えて伝える
「お菓子はやめてください」より、「最近、虫歯ができやすいと歯医者さんに言われて」のように、理由を添えると、祖父母も納得しやすくなります。専門家の言葉を借りるのも、角が立ちにくい方法です。
3. 「代わりにこうしてほしい」を提案する
「買わないで」だけでなく、「欲しいものは誕生日やクリスマスにお願いしてもいい?」「おもちゃより、一緒に出かける時間がうれしいみたい」など、代わりの楽しみ方を提案すると、祖父母の「喜ばせたい」気持ちを大切にできます。
4. 伝えるのは、実の親から
夫側の祖父母には夫から、妻側の祖父母には妻から伝えるのが基本です。実の子どもから言われるほうが、角が立ちにくいものです。夫婦で先に話し合い、伝え方をそろえておくと安心です。
祖父母は「頼れる応援団」
モヤモヤすることがあっても、祖父母は子育ての心強い味方です。急な発熱のときに預かってもらえる、親とは違う遊びを教えてくれる、親以外にも自分を大切にしてくれる大人がいると子どもが感じられる。祖父母と過ごす時間は、子どもにとってかけがえのない経験です。
だからこそ、小さなすれ違いで関係がぎくしゃくするのは、もったいないことです。全部を思いどおりにしようとせず、大事なことだけを大切に伝える。それが、祖父母と長く気持ちよく付き合うコツなのだと思います。
わが家の「クリスマス相談」
わが家でも、子どもが小さいころ、両方の祖父母からクリスマスに大きなおもちゃが届き、部屋があふれてしまったことがありました。うれしい反面、置き場所に困り、子どもも次から次へと目移りしてしまう状態でした。
翌年、夫と相談して、秋のうちに「今年は子どもが欲しがっているものをひとつ、みんなで選びませんか」と、それぞれの実家に相談しました。すると、祖父母からも「何を買えばいいか迷っていたから助かる」と言ってもらえたのです。モヤモヤを我慢するより、早めに相談したほうが、お互いに気が楽になると知った出来事でした。
祖父母に「お願いしたいこと」を伝えるのも大切
祖父母との関係では、つい「やめてほしいこと」ばかりに目が向きがちです。でも、「こうしてもらえるとうれしい」ことを伝えるのも、とても大切です。
たとえば、「昔の遊びを教えてもらえるとうれしい」「おばあちゃんの料理を一緒に作らせてほしい」「パパ(ママ)の小さいころの話を聞かせてあげてほしい」。祖父母にしかできないことは、たくさんあります。物やお菓子ではなく、経験や思い出を贈ってもらうような関わり方を提案すると、祖父母も「孫に喜ばれる新しい方法」を見つけることができます。
祖父母にとって、孫に必要とされることは大きな喜びです。「ダメ」を伝えるだけの関係ではなく、「お願い」と「ありがとう」が行き来する関係をつくることが、結果的にすれ違いを減らすことにもつながっていきます。
よくある質問
Q. 伝えたのに守ってもらえません。
一度で変わらないことも多いものです。安全に関わることなら、くり返し伝える必要があります。それ以外のことは、「会う日は特別」と割り切るのもひとつの方法です。
Q. 祖父母同士で贈り物の差があります。
金額や回数に差があっても、子どもにとってはどちらも大切な祖父母です。比べる言葉を子どもの前で口にしないことを、夫婦で意識しておくとよいでしょう。
Q. 子どもが「おばあちゃんの家のほうがいい」と言います。
特別な場所が楽しいのは自然なことです。祖父母の家が大好き、というのは、子どもが愛されている証拠でもあります。気にしすぎなくて大丈夫です。
まとめ:大事なことだけを、感謝とセットで伝える
- 祖父母の甘やかしは、限られた時間で孫を喜ばせたいという愛情の表れ
- おやつ、贈り物、子育ての考え方ですれ違いが起きやすい
- 絶対に守ってほしいことと、目をつぶれることを分ける
- 感謝を先に、理由を添えて、代わりの楽しみ方を提案する
- 伝えるのは実の親から、夫婦で伝え方をそろえる
年末年始やクリスマスの前に、まずは夫婦で「これだけは伝えたいこと」を1つ話し合ってみてください。それだけで、祖父母との時間がもっと気持ちのいいものになるはずです。

